高齢者は耳が遠い人が少なくありませんが、これは加齢による聴力の低下が大きな原因です。
高齢者の鼓膜は若い人よりも弾力性が低いため、音の高低を正しく認識することができないのです。
若い人なら些細な音の高低を区別できますが、高齢者は音の区別が困難です。
そのため、話し声の聞こえ方が表面的なものになり、語尾の高低や濁音などを認識できないことがあります。
また、高齢者は加齢による新陳代謝の低下で耳垢が自然に排出されず、耳孔内に溜まってしまうケースも少なくありません。
溜まった耳垢が耳孔を塞いでしまい、音が伝わらなくなることもあります。
補聴器を使っている高齢者は耳を塞がれている形になるので、耳垢の排出がさらに困難なものとなってしまいます。
耳が遠い高齢者とのコミュニケーションを図るには、話し声の大きさよりも音程に気を配ることが重要です。
耳が遠い高齢者の多くは女性よりも男性の声が聞き取りやすい傾向にありますが、これは男性の太い声の方が音程が安定していることに起因しています。
一定の音程を保つ声なら弾力性に乏しい高齢者の鼓膜でも正確に認識することが可能です。
また、こまめに耳掃除を行って耳垢を溜めないのも効果的な対処法のひとつです。
耳掃除を行ったら周りの会話が鮮明に聞こえるようになったケースも少なくありません。
音の聞こえは外部の情報を知るための重要なポイントです。
高齢者の健やかな暮らしは音の聞こえ方の良し悪しが大きく関係していると言っても過言ではありません。